新しいカメラやレンズがあれば撮れるのか、それとも置き方を変えればよいのか。買う前に、いつも撮れる一場面で確かめましょう。机のカップとノートを例に、欲しい機能と、いまの機材で足りない所を分けていきます。
1.まず、繰り返し撮れる場面を一つ選ぶ
窓の近くの机に、無地のカップと白紙のノートを置きます。二つが入る横写真を、手元の機材で一枚撮ります。旅行へ行かないと試せない場面より、撮り直せる場面の方が、置き方やレンズの違いを比べやすくなります。以下は機材を調べるための架空例で、特定機種の実測ではありません。
撮った写真を開き、何に困ったかを一つ言葉にします。「部屋が暗い」だけでなく、「カップは写るが、遅いシャッターでぶれる」「机全体を入れたいのに、背中が壁に当たって下がれない」と書ければ、次に試すことが見えてきます。撮れているなら、いま買い足さず撮影を進められます。
スマートフォンやAPS-Cでは販売できない、という意味ではありません。手元の機材で、使いたい場面を撮り、提出先の画質・ファイル条件を満たせるなら始められます。私の推奨と、各機材で実際にできることは分けて考えます。
2.「入らない」と「暗くてぶれる」を別に試す
机が入りきらない場合は、まず安全に一歩下がれるかを見ます。カップを動かすだけで場面が作れるなら、それも試します。下がる場所がないときに、より狭い範囲が写るレンズへ替えても解決しません。レンズの35mm、50mmといった焦点距離は、写る範囲に関わる表示です。同じセンサーサイズなら、一般に数字が小さい方が広い範囲を写せます。
同じ所からズームして写る範囲を変えることと、自分が近づくことは別です。近づくと、手前のカップと奥のノートの大きさの関係も変わります。まずカップの形と背景を見せたい位置を決め、その位置から必要な範囲を入れられるレンズを考えます。
暗さでぶれる場合は、先に窓へ近づける、三脚で支える、と撮り方を変えてみます。動く人を止めたいなら、三脚だけでは人のぶれは止まりません。シャッター速度を速く保てる光と設定が必要です。絞りや速度がまだ分からなければ、同じ机で構図と設定を試す記事へ戻れます。
3.私なら、明るい単焦点から考える
単焦点は焦点距離が固定されたレンズです。ズームのように回して写る範囲を変えず、必要なら自分の位置や物の配置を変えます。レンズの「明るい」は、小さいF値まで使えることを指します。F値が小さいほど、同じ条件なら光を多く取り込めます。ただし、ピントが合って見える前後の範囲は狭くなりやすいため、カップとノートを両方くっきり見せるなら、少し絞ることもあります。
私はキットレンズをすすめません。高級なズームを選ぶ場合でも、最初は明るい単焦点を優先します。明るさや解像感に加え、自分で動いて構図を考えること、暗い場所の動体、動画での重さや取り回しを重視しているからです。すべてのキットレンズが低画質、すべてのズームが暗い、という一律の性能判定ではありません。
写真と動画を含めた最初の一本なら、35mmを候補にします。これはフルサイズで使うときの私の出発点です。同じ焦点距離でもセンサーサイズが違えば画角が変わるため、別の形式でそのまま同じ構図になるとは考えません。
ここでいう画角は、画面に写る範囲の広さです。フルサイズとAPS-Cは、光を記録するセンサーの大きさの区分です。「35mmなら同じ写真になる」と名前だけで決めず、自分のカメラとの組み合わせで机へ向けて試します。センサーの区分や使えるレンズは、ボディの製品仕様とレンズの対応表で調べます。
明るいレンズを買っても、常に一番小さいF値で撮る必要はありません。ISOを上げることも、レンズへ入る光を増やす操作とは別です。カップの縁とノートの文字を残したいなら、使うF値とピントで写真を拡大して見ます。解像感をF値や値段だけから決めないようにしましょう。
4.ボディとレンズを一緒に持って試す
できればフルサイズから始める、というのが私の考えです。明るい単焦点と組み合わせ、暗い場面や動く被写体でも、撮り方を選びやすい環境を作りたいからです。ただし、フルサイズという表示だけで、ピント、動画の安定性、操作性まで決まるわけではありません。使いたいレンズと、本番の設定で確認します。
私が最初に挙げるのはSONYです。ただし、他社の色や操作を好む人に、一社しか使ってはいけないとは考えていません。好きなカメラでも、必要なレンズを使え、撮影と仕上げを続けられるなら候補になります。
候補が見つかったら、メーカーの製品ページでレンズ名と対応するボディを調べます。マウントは、ボディとレンズをつなぐ規格です。同じメーカー名だけで取り付けや全機能の対応を判断しません。たとえばSonyなら、公式のレンズ・ボディ対応表で組み合わせを調べられます。別のメーカーなら、そのメーカーの対応表や説明書を使います。
店頭や借りた機材で試せる場合は、ボディ単体でなく使うレンズを付けて持ちます。シャッターへ無理なく指が届くか、カップの縁へピントを合わせられるか、縦にしても支えられるかを試します。動画も撮るなら、録画ボタンの位置や、必要な三脚・ケーブルを付けたときの操作も見ます。見た目の小ささより、実際に使う重さで判断します。
試し撮りが許され、ファイルを持ち帰れるなら、家で開いてみます。きれいな店頭モニターで一瞬見ただけでは、普段のパソコンで再生や仕上げができるかは分かりません。動画は短いファイルを通して見る手順で確かめられます。自分のファイルを持ち帰れない場合は、その点を未確認として候補を比べます。
5.最初の一式を決め、買い方は次の記事へ
新品の最新機種に絞らず、必要な機能がある中古も候補になります。少し上の中古機材を使い、必要になってから売却して替える方法もありますが、将来の売値や損失の小ささは保証されません。候補を決めたら、既存の中古購入・PC・カードと電源の記事で、販売元の状態説明、保証、返品、届いた直後の確認を読みます。この記事で販売店の現在の条件を決めつけません。
一本を使ってみて、「壁があって下がれない」「遠い物へ近づけない」と不足が具体的になってから、別の焦点距離を考えられます。二台目も、最初から必要とは限りません。交換を減らせる一方、持つ重さ、電池、カード、同じ名前のファイルが増えます。
今日の机の写真が撮れたなら、購入候補を増やすより、その一枚を選んで仕上げるところへ進みましょう。買い替えが必要な場合も、「机の全体を入れたい」「動く手をぶらさず撮りたい」と目的を持って試せれば、仕様表の数字を追うより選びやすくなります。